コラム (2016年08月28日)

 

貧困問題を解決しない限り、アベノミクスは成功しない!?

アベノミクスは、国民の収入が増えない限り成功しないはず!

 

 バブル経済が崩壊した90年代後半から、雇用形態は大きく変化しました。

 正社員採用は減り、

 非正規雇用が増えました。

 15年には非正規雇用率は4割に。女性に限れば非正規率は50%を超えています。正社員より不安定で、給与も安いまま昇給もありません。
 が、実態ではないでしょうか。

 おめえら! あほの集まりかい!  国民の収入が増えないのに、アベノミクスが成功するはずないやんけ!

 と、私の怒りを最初に披瀝しておきます。

 

 国民の収入が上がらない限り、企業の収益は増えません。法人税の税収の増加は、望めないという事です。国民の収入を上げるためには、低所得者・ 非正規雇用者の収入増加や生活の安定が不可欠だと考えます。

 そうです。国民の半数以上が低所得者・ 非正規雇用者と言っても過言ではないでしょう。

 

 低所得者・非正規雇用者の問題を解決するためには、私の推奨しているベーシックインカムを導入する事だと考えております。低所得者・ 非正規雇用者の収入を、無理やり上げるのです。

 その代わり、国民の収入はすべて国民に還元します。バラまきではなく、富の再配分です。

 

 これから、具体的な話をします。

 

 国民の負担を、所得税と健康保険だけにします。国民の収入は、すべて富の再配分で国民に還元するという事です。これで、国民の収入を強制的に増加させます。

 所得税の税収がなくなるではないか! と、ご懸念する方もいらっしゃると思います。が、そうでしょうか? まず、現在の政府の支出の多くは社会保障費に充てられております。医療費の増加も問題になっております。

 ベーシックインカムを導入する事で、社会保障の支出は不要になりますし、健康保険の一本化も自動的にできることになります。結果、経費節減が自動的にできます。

 その一方で、ベーシックインカムを導入する事で、企業の年金や健康保険の50%負担がなくなるのです。それだけではありません。年金や健康保険や複雑な給与計算の事務の負担(収入に関係なく一律所得税50%、健康保険10%)もなくなることになります。企業の様々な負担が少なくなると考えます。

 所得税の税収が無くなっても、社会保障費が掛からなくなるのです。政府は、所得税以外の税収により予算を組む事になります。所得税がなくなったとしても支出が少なくなるわけですからおのずと小さな政府になり、事務費と呼ばれる経費も少なくてすむようになります。考え方によっては、行政改革になりますし、規制緩和にも繋がります。

 

 結果、所得格差が少なくなって、国民の購買力がついて、企業の業績が上向くと考えております。しかし、現在のアベノミクスでは、低所得者の購買力は衰えるばかりです。景気の底上げには、なんら寄与しない事になります。では、何故、そうなったのでしょうか? 考えてみます。

 

 本来、ちゃんと生活できて結婚できる収入を考えると、時給換算して最低でも1,500円になります。一日12,000円。一ヶ月21日働いたとして、252,000円。年収3,024,000円です。時給1,000円なら、年収2,016,000円にしかなりません。最低賃金を1,000円に上げても、年収が200万円程度と立派な低所得者です。しかも、非正規。あと、所得税に地方税それに社会保険(年金・健康保険)が差し引かれます。交通費が出ないなら、手取はもっと下がります。

 時給1,500円で、やっと年収300万円程度になります。年収300万円でも、非正規なら生活も不安定ですし、将来の不安から財布のひもはきつくなるばかりです。

 最低賃金を無理やり1000円や1,500円以上に引き上げる事は不可能です。だから、政府がベーシックインカムで、無理やり低所得者の収入を増やすのです。

 何故最低賃金をの引き上げが不可能なのか? そんな事をしては、企業が成り立たない業界も存在するからです。なら、値上げをすればいいとお考えになるでしょうが、値上げをすれば消費者がそっぽを向いて企業が倒産する事になります。正規・非正規の問題以外にも、業界で格差が存在します。それに、政府が非正規雇用者を増やした責任を取るという意味合いもあります。

 

 例を挙げます。

@行政機関の非正規雇用者(ちゃんとハローワークで閲覧したから事実です)

 時給1,000円程度です。正規の公務員とかけ離れた冷遇です。

A食品業界の非正規雇用者

 居酒屋や、ファミリーレストランのアルバイト店員。それに、コンビニの店員。時給1,000円以下。夜間でやっと1,000円を超える水準です。ある、立ち食い蕎麦屋の求人を見ていると、時給910円です。しかも、4〜5時間です。計算するまでもありません。ちゃんとした生活をしようと思えば、アルバイトの掛け持ちをしなければならなくなります。

B私の仕事(個人的なことで申し訳ありません)※当然非正規雇用者です

 事務的な仕事をしております。一応時給1,300円ですが、交通費なし。交通費が毎月30,000円も掛かるため、時給換算すると1,100円程度になります。

 

  更に、大企業中小零細企業でも、格差があります。私の結論は、企業に任せておけば、格差は拡がる一方だという事です。是正できるのは、政府しかないと考えます。よって、ベーシックインカムの導入が必要になると考えます。

 

 最後に、景気の観点からベーシックインカムを論じてきましたが、私の本来の姿勢は景気ではありません。底辺で苦しんでいる人たちを、少しでも救う事です。景気の底上げは、単なる結果に過ぎません。

 

 

記事内容

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160827-00000044-mai-soci

<貧困たたき>新宿で緊急抗議デモ 作家の雨宮処凛さんらも

毎日新聞 8月27日(土)20時5分配信

 

 子どもの貧困問題を扱ったNHKのニュース番組で体験を語ったひとり親家庭の女子高校生がインターネット上で中傷され、人権を侵害された問題で、「生活苦しいヤツは声あげろ 貧困たたきに抗議する新宿緊急デモ」が27日、東京・新宿であった。最低賃金引き上げを求める若者グループ「AEQUITAS(エキタス)」が主催し、作家の雨宮処凛さんらも参加した。

 約500人(主催者発表)の参加者が「貧困たたきは今すぐやめろ」「貧困知らない政治家いらない」とコールしながら繁華街を歩いた。都留文科大3年、栗原耕平さん(21)は「当事者の女子高校生に見てほしいと思い、デモとスピーチをした。ものすごく生活が苦しい人しか声を上げられないというのではおかしい」と話した。

 番組に登場した女子高校生は、ネット上でプライバシーをさらされたうえに発言や容姿を中傷され、持ち物や趣味についても「ぜいたくだ」「貧困ではない」などと非難された。エキタスのメンバー、原田仁希(にき)さん(27)は「貧困状態にある人が抑圧されて声を上げられなくならないよう、バッシングを許さない人がいることを示したかった」と話した。平均的な生活水準を下回る「相対的貧困」では貧困とみなさないかのような風潮に対し、原田さんは「どこまで貧困だと声を上げられるというのか。貧困のラインが必要最低限の衣食住を満たせない『絶対的貧困』の方に引き寄せられようとしている」と危惧する。

 28日には名古屋市や京都市でも同様のデモが予定されている。【西田真季子】 

 

http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160704/biz/00m/010/031000c

若者の貧困を放置したらいずれ日本は大混乱

2016年7月6日 藤田孝典 / NPO法人ほっとプラス代表理事

 

 貧困は固定化している(2)

 埼玉県内の定時制高校2年の優香(17)は今、アパートで1人で暮らしています。私が代表理事を務める貧困支援のNPO「ほっとプラス」(さいたま市)にある日、優香の女性担任から電話がありました。

 「施設を出て1人暮らしの女子生徒が、給食費を払えない状態になっている。このままでは学校をやめてしまいそう。相談に乗ってほしい」

 担任と一緒に事務所に現れた優香は、すさんだ雰囲気を発していました。明るめの茶髪、投げやりで乱暴な話し方−−典型的な「インボランタリー・クライアント」、つまり、援助や支援が必要なのにそれを望まない、あるいは拒否する人の態度です。

 話を聞くと不遇な子供時代だったようです。生まれてすぐに父親が失踪。1990年代末に10代で妊娠・出産した母親(現在は30代後半)は、スナックの従業員やスーパーの販売の仕事をしながら優香を育てました。同時に、暴力や暴言、ネグレクト(育児放棄)のような虐待を続けていました。

 見かねた周囲が小学2年の時、母親から引き離し、優香を児童養護施設に入所させ、そこから小中高校に通ったのですが、定時制高校に入学したころから生活が荒れ始め、非行や売春で何度も補導されました。その結果施設を出され、今は家賃4万5000円のワンルームアパートで1人暮らしです。

「美容専門学校に行きたい…」学費は100万円

 優香は昼間、近くのクリーニング店で働いています。時給は埼玉県の最低賃金820円に近く、収入は月約13万円ほど。所得税や社会保険料、アパートの家賃を払うと、残りは月数万円。手取り年収は100万円に届かない貧困レベルです。最近は学校も仕事も休みがちです。

 ぽつりと漏らした「美容の専門学校に行きたい……」という言葉は本音でしょう。しかし、その学費は年間100万円を上回ります。母親に頼れない優香には進学は夢でしかありません。

 このまま高校に通って、いいことがあるのかどうか分からないと彼女は言います。今の口癖は「早く18歳になって、水商売でもっと稼ぎたい」。彼女は、自分が売れるのは容姿と若さだけであることを知っています。

 17歳の少女が、厳しい生活と限りなく見通しの暗い将来から逃れるために抱ける唯一の希望が、水商売。相談してきた担任はこう言います。

 「このままでは卒業も難しい。卒業できなければ彼女は今後チャンスを手にすることなく、坂道を転げ落ちていく。なんとか卒業させたいんです……」

日本の6人に1人が貧困ライン未満の収入

 日本の相対的貧困率は年々上昇しています。

 世帯収入から税金や社会保険料などの「非消費支出」を差し引いた手取り収入が「可処分所得」。この可処分所得を世帯人数の平方根で割ったものが、「等価可処分所得」です。世帯員の生活水準をより実態に近い状態で表す数字です。

 この等価可処分所得の中央値は、2012年時点で244万円(名目)。この名目値の半分(122万円)に届かない人の割合を示すのが、いわゆる「相対的貧困率」です。世帯員の人数ごとでいえば、単身世帯は122万円、2人世帯170万円、3人世帯210万円、4人世帯245万円−−未満の収入しかない人が、貧困と見なされます。

 いま、日本の相対的貧困率は16・1%(12年・厚生労働省国民生活基礎調査)。85年の調査開始以来最も高く、また、経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国の中でも6番目に高い数字(10年)です。高度経済成長を果たし、経済大国になったはずの日本で、6人に1人が貧困状態にあります。大きな原因の一つが、雇用の崩壊です。

非正規雇用が4割超に

 バブル経済が崩壊した90年代後半から、雇用形態は大きく変化しました。正社員採用は減り、非正規雇用が増えました。15年には非正規雇用率は4割に。女性に限れば非正規率は50%を超えています。正社員より不安定で、給与も安いまま昇給もありません。

 4年制大学を卒業し、終身雇用の大企業に入社して、結婚して子供を2人持ち、年功型賃金制度のもとで収入が上昇−−という成功モデルは、とっくに崩壊しています。今は、たとえ大学を卒業しても正規雇用の仕事に就ける保証はありません。東京六大学を出たとしても、100%ではないのです。

 若者だけでなく、ただでさえ弱い立場にあるシングルマザー、障害を持つ人、健康に問題がある人、不登校だったり、高校を中退したりした人、職歴の少ない人といった、社会的に弱い立場の人たちは、さらに稼げなくなっています。また、過酷な労働による若者の精神疾患も急増しています。

 かつて「中流」と呼ばれた社会の中間層が、下流に落ちようとしている。目をこらせば、社会のあちこちに貧困の影が見えます。そこでは「若いから働けば何とかなる」という励ましと責めは、役に立ちません。

 若者を「貧困予備軍」としてこのまま放置したらどうなるか。近い将来、大量の「貧困世代」が出現し、社会は大混乱に陥るでしょう。

 

下流化ニッポンの処方箋(興味ある方は、下をクリックしてご覧ください)

       

 

 

 

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